海外営業と国内営業の7つの違い

同じ「営業」とは言え、海外営業は国内営業と、主に下記の点で大きく異なっている。


(1) 文字通り、相手は海の外にいる
・距離。確かに日本列島も南北に長いが、海外営業のお客さんは海の外。

   気軽に「ちょっと伺います」という訳には行かない。輸送距離も長く、その間のリスクもある。

・相手の素性やマーケットの情報など、圧倒的に情報が足りない。 

・「集金」と言っても、本当に払ってくれるか、国内のお客さんより不明な点がある。(代金回収リスク)

・ある程度のロットがまとまらないと採算に乗らない場合が多く、取引き金額も高額となる。

→そのための対応:海外信用調査、貿易保険、前払い、L/C取引、保険契約など。


(2) 時間が違う
東南アジアであれば日本との時差はプラスマイナス2時間程度ですが、相手がアメリカやヨーロッパであれば、こちらの営業時間と相手の営業時間が逆、という事もある。

現地の朝一番(例:9:00) に電話して担当者と話したい、といった場合の日本時間は下記通り。ロサンゼルスの場合は、現地スタッフが帰宅する前に電話する、といったイメージか。

→そのための対応:メールによる連絡、テレビ会議

     日本時間  相手国 現地時間
      8:00 シドニー   9:00           
      9:00 ロサンゼルス 16:00  (夏時間 17:00)          
     10:00 シンガポール   9:00
     11:00 バンコク   9:00
     12:00 ニューデリー   9:00
     15:00 リャド (サウジアラビア)   9:00
     17:00 デュッセルドルフ (ドイツ)   9:00  (夏時間 10:00)
     18:00 ロンドン   9:00  (夏時間 10:00)
     23:00 ニューヨーク   9:00  (夏時間 10:00)

(3) 言葉が違う
こちらは日本語、相手は英語、中国語、ドイツ語、スペイン語etc。

→そのための対応:基本的には国際ビジネスのデファクトスタンダードは英語(と思う)。

 

(4) 政治体制・法律・制度が違う
国内営業であれば、日本の商法などわが国の法律が適用されますから、法的なトラブルになっても同一のルールで争える。
相手が海外の場合、規制する法律やルール、商習慣、労働慣行が異なるため、厄介。

・いわゆるカントリーリスク。

→そのための対応:英文契約書の知識、ウィーン売買条約、仲裁、国際的取り決めについての理解など。

 

(5) 通貨が違う
ドル建て、ユーロ建てなど、決済通貨は様々。為替リスクも生じる。

→そのための対応:円建て決済の交渉、為替予約など。

 

(6) 「貿易実務」というペーパーワークが有る

・国内の出荷であれば、トラック便や宅配便を仕立てればよいが、海外営業の場合は「輸出」という手続きが必要。

・海外との取引の場合、モノ(貨物)の流れ、カネ(金)の流れ、書類の流れが一致しない。

 更に船便の場合はB/L(船荷証券)という、超重要書類がある。

→そのための対応:インコタームズなど。

 

(7) そして何より、考え方が違う

・歴史、宗教、文化、商慣習による価値観の違いから、こちらの常識が全く通用しない場合もある。