下記説明はICC2009による。

1. 保険期間

(1) 船積み地の倉庫で、輸出する貨物を輸送手段に積込む目的で最初に動かしたときから、仕向地の最終倉庫において輸送手段から荷卸しが完了したときまで。

(Warehouse to Warehouse Clause 業界用語でWW ダブダブ約款)

 

ただし、船の場合は本船荷卸し完了後60日 、飛行機の場合は30日 まで。この期間経過後は貨物が最終倉庫に引き渡されていなくても保険期間は終了する。

 

(2)貨物海上保険において戦争保険を付保した場合の担保期間:

・担保期間貨物が本船(または航空機)に積載されている間に限る。陸上にある間は担保されない。

・荷卸が遅れた場合、担保期間の終期は最終荷卸港に本船が到着した日の午後12時から起算して15日間。

 積替港にて第2船待ちの間も15日間を限度として担保される。

   AIRの場合は航空機に積込から最終荷卸地で荷卸または到着後15日

 

(3) 被保険者の支配し得ない事情により本船の運送契約打ち切り→その事情を知った後、直ちに保険者に通知し、請求に応じて割増保険料を支払えば、保険契約 は契約上の仕向地まで継続する。

 

(4)被保険者の左右し得ない遅延、離路、再積込等や、運送契約上船主または傭船者の自由裁量権から生じる危険の変更→割増保険料なく保険は継続する。

2. 保険の担保する期間

貿易条件により異なる。

(1) FOB/CFR による輸出の場合

①WW約款によって輸出地の倉庫から輸入地の荷卸しまでが保険期間となるが、FOBやCFRでは危険負担の移動時期は本船に積込み時。逆に言えば、輸出者の工場なり倉庫から貨物が出て、本船甲板まで間の事故には 海上保険の対象外。そのためFOB/CFRの場合はFOB Attachement Clause / CFR Attachment Clause により、付保期間は船積以降となっている。

② 一方、輸出者側では倉庫から船積までは付保されていない事になるので「輸出FOB保険」を売主が自ら付保する。

 

(参考) 逆もまた真なりで、FOBによる日本での輸入の場合

日本の保険会社に日本の輸入者が貨物海上保険を依頼するが、原則は「Warehouse to Warehouse Clause」により、輸出地の工場や倉庫から日本までの保険の手配となる。しかし契約がFOB条件であれば、輸出地の工場や倉庫から輸出地での船積までのリスクは日本の輸入者が負担する必要が無い。そこで、FOB条件の輸入貨物について輸出地から日本までの保険を手配する場合、日本の保険会社は「FOB Attachment Clause」を付けている。これは、本来日本の輸入者が手配する必要のない、輸出地現地工場なり倉庫から本船積込(FOB)までのリスクを保険の範囲から外すもの。これにより輸入者側の保険料の過負担を軽減する。

 

(2)CIFによる輸出の場合

保険は売主が手配。輸出する貨物を輸送用具に積込む目的で最初に動かしたときから、仕向地の最終倉庫において輸送用具から荷卸しが完了したときまでがCIFの場合の保険でカバーされる。したがって「輸出FOB保険」をあえて掛ける必要はない。

 

(3) 航空貨物の保険

・ AWBを利用した荷主保険→AWBの項参照。

・ 協会航空貨物約款による貨物海上保険証券を使用するもの CIF,CIPの場合、輸出者の保険証券に輸出者が白地裏書して保険金請求権を輸入者に譲渡する事により、輸出者の付保する保険証券で輸入者の危険が担保される。

 

(4) 前述通り、船の場合は本船荷卸し完了後60日 、飛行機の場合は30日 まで。この期間経過後は貨物が最終倉庫に引き渡されていなくても保険期間は終了する。

3. 保険料率

(1) 保険料率は Marine Risk(海上危険保険料率)とWar & Strikes Risk(戦争・ストライキ危険料率) に分かれる。 ざっくり、0.02%程度ともいわれているが、最低保険料が設定されている。

 

(2) 保険金額

① 保険金額:事故が発生した場合に保険会社から受け取れる最高限度の金額。付保金額。契約通貨と同じ通貨で、CIFの110%と設定するのが一般的。CIFには既に輸出者の利益が入っているので、10%は輸入者の期待利益とされる。 

② 保険料(Insurance Premium):その保険金額を受け取るために、あらかじめ払う”掛け金”。

海上保険料=保険金額x保険料率(r)=CIFx110%X保険料率(r)となるはずだが、そうすると、保険料込の付保金額にさらに保険料率を掛けていることになる。

そこで、保険金額の計算は、海上保険金額= 1.1x(Cost + Freight) / (1-1.1R) となる。

 

<検算> 便宜的に、Cost 100 Freight 10 保険料率4%としてみると、

 (i) 保険金額=1.1x(100+10)÷(1-1.1x0.04)=121÷0.956=126.566

 (ii) 海上保険料=保険金額x保険料率=126.566x4%=5.06

 (iii) 保険金額=(Cost100+Freight10+保険料5.06)x110%=126.566 

4. 付保

(1) その都度確定保険を申し込む。 Faxが一般的だがインターネットで申込みできるサービスもある。

  海上保険申込書 (Marine Insurance Application)  L/C取引の場合は、L/C要求に沿って作成。

(2) 保険証書は通常郵送されてくる。インターネットで自社のプリントで出力できるサービスもある。

(3) その他の保険

① 予定保険:主として輸入者が出港前に船名や出港日などはブランクにして申込む。未定部分が輸出者からのShipping Advice で確認できたら、保険料とともに確定保険として申し込む。

②  包括保険 (Open Policy)

(20181021)

5. 小損害免責 (旧約款 SG Form のWA条件のみに適用)

(1) フランチャイズ(Franchise)方式:損害が一定割合に達した場合、全額を填補するが、一定割合未満の場合は填補しないフランチャイズ(Franchise)→現実の損害が3%とか5%の免責歩合を超過した場合、その損害全部が填補される。

(2) エクセス(Excess)方式:貨物海上保険において、一定割合の損害は取引に常に伴うものとして損害が一定割合を超過した場合、その超過した部分のみを填補する。

エクセス(Excess) の場合は、免責歩合をこえた貨物の損傷について、超過部分についてだけが填補される。

(20160321)

6. 保険証券の裏書
CIF、CIPで輸出者が保険料支払い
 ↓
保険証券上保険金受取人は「輸出者」のまま
 ↓
しかし、契約の危険負担はCIFなら船積時、CIPなら運送人への貨物引渡し時に、輸入者に移転している。
 ↓
そこで、保険金を輸入者が受け取れるように、保険証券に輸出者による裏書をする。Blank Endorsement。
裏書の方法
Nihonbashi Mfg. Co., Ltd.
(サイン)
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Authorized Signature