PL保険

【1】総論

(1) 製品に欠陥があったことを証明すればよく、製品に欠陥があったことが製造者の過失によることの説明は求められていない。製品の欠陥には、取説の不備も含む。

(2) 製品の欠陥があったとしても、免責事由がある。

     ①開発危険の抗弁

     ②部品・原材料供給者の抗弁

 

【2】輸出P/L保険
(1)輸出P/L保険の対象となるもの:加工・製造された物品。
①損害賠償金
②裁判費用、示談解決のための費用

(2)輸出P/L保険の対象とならないもの
①契約転嫁責任(海外の販売店が製造物責任に問われて賠償請求された場合に、その責任を輸出者に転嫁する契約条件)→現実的には輸出P/L保険に海外の輸入者等を追加被保険者として加える。
②「懲罰的賠償責任」は輸出P/L保険の対象とならない。

③ 公害、リコール、原子力事故は輸出P/L保険の対象とならない。


(3)わが国の企業が輸出する際に付保する、米国の保険約款
①ISO (Insurance Service Office)に準じた輸出P/L保険では、保険期間は原則1年。
②保険期間内の保険事故発生の認識時点を、損害賠償請求ベースでとらえる。
③アメリカに於ける製造物責任の根拠:製品の欠陥を要件とする「厳格責任」
④アメリカのP/L訴訟:殆ど陪審員による裁判

(4)輸出P/L保険の被保険者
①保険証券に記載された被保険者
②追加被保険者として、輸出者の現地法人、部品、原材料メーカー、輸出業者
③特約で、現地のディーラー、ディストリビューター、小売店等。


(5)相手国が自国保険主義を取っている場合には、現地の保険会社と契約しなければならない。

【3】国内P/L保険
(1)賠償責任保険普通保険約款+生産物特別約款+特別約款追加特約条項=製造物賠償責任保険
(2)P/L法の対象:製造物、加工物
(3)国内P/L保険はP/L法の対象に限定されず、工業製品、完成品、部品、未加工品、農水産物、原材料なども対象。機械の設置・据付作業等の仕事の結果に対する賠償責任も保険の対象となる。
○損害の拡大防止、軽減のために要した費用 

×事故を起こした製品自体の損害

(4) 保険期間内の保険事故発生の認識時点を、事故発生ベースでとらえる。
(5)国内P/L法の時効:損害および損害賠償義務者を知って3年、引渡しから10年
 蓄積損害発生から10年