安全保障貿易管理

【原則】

外為法48条1項「国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令(輸出貿易管理令)で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は、政令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。」

 

外為法では「リスト規制」と「キャッチオール規制」という2段構えでほとんど全ての輸出品目に規制の網が掛かっており、例外的に輸出を認めるという構成になっている(外為法第1条では「必要最小限の管理又は調整」と言っているが)。 ここでは便宜上、貨物の輸出を中心に説明する。 

リスト規制

 

まず「リスト規制」は、兵器そのもの、兵器もしくはその一部として使われそうな高性能汎用品、兵器開発に利用しうる高性能汎用品などが輸出令別表第1に15項目リストアップされている(リスト規制品目)。詳細なスペックは貨物等省令で定められており、そのスペックに該当する貨物目はどの国向けの輸出であろうと(例え同盟国の米国向けであっても)、経済産業大臣の輸出許可が必要となる。一方、貨物等省令で定めるスペックに満たない場合は、リスト規制に非該当と判定され、輸出許可は不要となる。この、リスト規制に該当するかしないかの判断を「該非判定」という。該非判定は輸出者自身の責任で行う必要があり、非該当として輸出申告をする場合、税関にリスト規制に該当しないことを証明する書類等(非該当証明書等)を用意して説明を求められる場合がある。

 

輸出貿易管理令別表第1

 1   武器そのものおよびその部分品

 2   原子力関連資機材

 3   化学兵器そのものでは無いが、化学兵器に使える関連資機材

3の2 生物兵器そのものではないが、生物兵器に使える関連資機材

 4   ミサイルそのものではないが、ミサイルに使える関連資機材

 5   先端材料関連の汎用品だが、通常兵器に使えるもの

 6   材料加工関連の汎用品だが、通常兵器に使えるもの  

 7   エレクトロニクス関連の汎用品だが、通常兵器に使えるもの

 8   コンピュータ関連の汎用品だが、通常兵器に使えるもの

 9   通信機器関連の汎用品だが、通常兵器に使えるもの

10   センサー・レーザー関連の汎用品だが、通常兵器に使えるもの

11   航法装置関連の汎用品だが、通常兵器に使えるもの

12   海洋関連の汎用品だが、通常兵器に使えるもの

13   推進装置関連の汎用品だが、通常兵器に使えるもの

14   軍需品

15   機微品目

16        キャッチオール品目

輸出貿易管理規則

(許可の手続等)

第1条  次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。

一 外為法第48条第1項の規定により経済産業大臣に輸出の許可を申請しようとする者

  別表第一で定める様式による輸出許可申請書2通

(20161210)

運用通達

1輸出の許可

1-0根拠

輸出令第1条は、外為法第48条第1項及び第2項に基づく規定である。

1-1輸出の許可

(1)輸出許可事務の取扱い

外為法第48条第1項の規定による経済産業大臣の輸出許可は、別表第1に定める事務取扱区分により、本省貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易審査課(以下「安全保障貿易審査課」という。)又は経済産業局又は沖縄総合事務局の商品輸出担当課が行う。

(2)輸出許可申請

(イ )輸出許可の申請者は、輸出しようとする者本人が原則である。ただし、輸出しようとする者の代理である旨を記載した書面を添付する場合には、代理者が輸出許可の申請をすることができる。

(注)輸出しようとする者は、およそ貨物の輸出を行おうとする者であり、居住者であるか非居住者であるかを問わない。また、その輸出貨物について所有権を有する者である必要はないが、自己の判断において輸出しようとする者であることを要する。

(ロ)輸出許可の申請は、輸出規則第1条第1項第一号に規定している輸出許可申請書による。

(ハ)輸出許可申請書の添付書類は、次のとおりとする。

(a)申請理由書 1通

   申請理由書の記載事項(用紙の大きさは、A列4番のこと)

   1 チェックリスト受理番号

   2 貨物名(商品名、型番及び等級)

   3 該当項目 (当該貨物が該当する輸出令別表第1の項の番号及び中欄の括弧の番号

          並びに省令の条項号等番号)

   4 その他(例えば、無為替輸出の場合の経緯や積み戻しの有無の説明等)

    (注3)チェックリスト受理番号は、輸出しようとする者が、輸出管理内部規程の届出等について

     の規定に基づく輸出者等概要・自己管理チェックリスト受理票が発行されている場合にの

     み記載する。

 (b)契約書 1通(許可申請のみの場合には、取引の内容を確認することができる書類をもって

          契約書に代えることができる。(例えば:注文書等)

      (注1)契約書は、原則として、政府の許可が得られるまで契約が発効しない旨の規定を盛り
                 込んだものであること。

 (c)その他の提出書類は、別に定めるところによる。(→提出書類通達)

 (d)(b)の書類の写しが原本と相違ない旨を誓約した証明書1通

 

(ニ) 輸出許可

(a)輸出令別表第1の中欄に掲げる貨物に関する輸出の許可は、次の輸出許可基準により行う。

 1貨物が実際に需要者に到達するのが確からしいか否か

 2申請内容にある需要者が貨物を使用するのが確からしいか否か

 3貨物が国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれのある用途に使用されないことが 確からしいか否か

 4貨物が需要者によって適正に管理されるのが確からしいか否か

 

8許可及び承認の有効期間

8-1 輸出許可及び輸出承認の有効期間

(1)輸出の許可及び輸出の承認の有効期間は、輸出令第8条第1項の規定によりその許可又は承認の日から6箇月とされているが、その期間の起算は、許可又は承認した日の翌日から行う。

(2)この輸出の許可及び承認の有効期間は、その期間内に貨物の輸出申告がなされなければならない期間を意味する。

8-2 有効期間の延長申請

(20161212)

運用通達 別表3

輸出関係書類の記載要領

 

1-0通則

(4)輸出許可申請書、輸出承認申請書及び輸出許可・承認申請書の記載事項が多い場合は、当該欄に別紙に記載している旨を記入し、当該事項を記入した別紙を輸出許可申請書、輸出承認申請書及び輸出許可・承認申請書にのり付けする。

1-1 「申請者記名押印又は署名」の欄

 (1)記名押印又は署名の当事者は、個人の場合は本人、法人の場合は代表権者(代表権を委任された者を含む。)に限ることとする。

(2)代理申請の場合には、輸出しようとする者の代理である旨を記載し、代理者が記名押印又は署名をする。

1-3「取引の明細」の「買主名」等の欄

1-3-1「取引の明細」の「買主名」等の欄

 契約書に記載されている輸出の相手方の名称・住所を記載することとする。なお、買主と支払人がそれぞれ異なる場合は、同欄に当該支払人を併記する。また、展示会への出展のように、輸出をしようとする者が輸出先において自ら貨物を管理し、目的終了後に貨物を日本へ積み戻す場合は、輸出をしようとする者を同欄に記載することとする。住所欄も同様に記載する。

1-3-2「取引の明細」の「荷受人」の欄

契約書に記載されている荷受人の名称・住所を記載する。ただし、これらを契約書で確認できない場合は、実際の荷受けを行う者の名称・住所を記載する。なお、買主と同一である場合には、「買主と同じ」と記載する。住所欄も同様に記載する。

1-3-3「取引の明細」の「需要者」の欄(輸出承認申請書を除く。)

 貨物を費消し、又は加工する者であって、契約書に記載されている名称・住所を記載する。ただし、これらを契約書で確認できない場合は、実際の貨物の使用者であって貨物の管理責任を負える者の名称・住所(通常は本社)を記載する。この際、加工する者と費消する者が異なる場合には、これらを併記することとし、費消する者を後ろに記載する。また、複数の需要者がいる場合には、これらを列記することとするが、記載欄に書ききれない場合においては、「別紙」と記載し、添付する別紙に列記する。

なお、輸出時点から全く形状、性質が変更された物を費消し、又は加工する者は、ここでいう需要者には該当しない。

需要者が未定である場合には、「未定」と記載の上、需要者住所は空欄とする。

なお、買主や荷受人と同一である場合には、「買主と同じ」、「荷受人と同じ」又は「買主・荷受人と同じ」と記載する。住所欄も同様に記載する。

また、需要者として貨物の所有者と使用者が異なる場合には、これらを列記することとする。住所欄も同様に記載する。

1-4 「取引の明細」の「仕向地」の欄

1-4-1「仕向地」の欄

輸出貨物の最終陸揚港の属する国(又は領域、以下同じ。)を記載する。ただし、当該貨物が当該国以外の国で消費又は加工されることが明らかな場合は、消費又は加工される国を記載し、加工される国と消費される国とが異なることが明らかな場合は、消費される国を記載する。

また、相当な理由があって、仕向地が確定していない場合(例えば、自由貿易港に一旦陸揚げされた後、買主が商機をみて再輸出する場合等)には、次のように記載することができる。ただし、仕向地別に輸出の規制が行われている等の場合には、認められない。

1-4-2「経由地」の欄

 貨物が仕向地に至るまでに積み替え、又は陸揚げされる場所を経由地として記載する。

1-5「取引の明細」の「商品内容明細」の欄

1-5-1「商品名」の欄

商品名は、一般的な用語をもって記載する。ただし、同一商品名で、信用状等に記載された名称と異なる場合は、その名称をかっこ書にして記載する。

1-5-2「型及び等級」の欄

輸出数量、品質等について規制が行われている貨物については、審査に必要な性能、主要材料、品質等を明記する。

(20170419)

提出書類通達

輸出許可・役務取引許可・特定記録媒体等輸出等許可申請に係る提出書類及び注意事項等について(平成28年11月7日経済産業省貿易経済協力局)

 

輸出許可申請、役務取引許可申請又は特定記録媒体等輸出等許可申請に係る添付書類等について、下記のように定めます。

           記

I.許可申請の前に輸出者及び提供者が実施する事項

輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物の輸出又は外為令別表の1から15までの項の中欄に掲げる技術の提供を目的とした取引若しくは当該取引に関する行為にあっては、その用途が核兵器、化学兵器、生物兵器又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機の設計、製造、使用又は貯蔵(大量破壊兵器の開発等という。)でないことを確認するよう努めてください。

なお、輸出令別表第1の16の項又は外為令別表の16の項に該当するものについては、「大量破壊兵器等及び通常兵器に係る補完的輸出規制に関する輸出手続等について」に従ってください。

〔需要者等の存在〕

①輸入者等及び貨物の需要者又は技術を利用する者(最終需要者)の存在及び身元は明らかか。

②輸入者等及び最終需要者は兵器等開発又は製造を行っておらず、かつ行ったことはないか。

③輸入者等及び最終需要者の関係者に軍、兵器製造業者等問題となる者の存在はないか。

〔貨物等の用途・仕様〕

④輸入者等、最終需要者又はこれらの代理人から当該貨物又は技術(貨物等)の用途に関する明確な説明はあるか。

⑤最終需要者の事業内容、技術レベルからみて、当該貨物等を必要とする合理的理由はあるか。

〔貨物等の設置場所等の態様・据付等の条件〕

⑥当該貨物等の設置場所又は使用場所は明確か。

⑦当該貨物等の設置場所又は使用場所は軍関係設備の近隣又は立ち入りが制限されている等の高度の機密が要求されている地域ではないか。

⑧当該貨物等の輸送、設置等について過剰な安全装置・処置は要求されていないか。

〔貨物等の関連設備・装置等の条件・態様〕

⑨当該貨物等が使用される設備や同時に扱う原材料についての説明はあるか。

⑩当該貨物等及び当該貨物等が使用される設備や同時に扱う原材料の組合せは、当該貨物等の用途に照らして合理的、整合的か。

⑪異常に大量のスペアパーツ等の要求はないか。

⑫通常必要とされる関連装置の要求はあるか。

〔表示、船積み、輸送ルート、梱包等における態様〕

⑬輸送時における表示、船積みについての特別な要請はないか。

⑭製品及び仕向地から見て、輸送ルートにおいて異常はないか。

⑮輸送時における梱包及び梱包における表示が輸送方法や仕向地などからみて異常はないか。

〔貨物等の支払対価等・保証等の条件〕

⑯当該貨物等の支払対価・条件・方法などにおいて異常に好意的な提示がなされていないか。

⑰通常要求される程度の性能等の保証の要求はあるか。

〔据付等の辞退や秘密保持等の態様〕

⑱据付、指導等の通常予想される専門家の派遣の要請はあるか。

⑲最終仕向地、製品等についての過度の秘密保持の要求はないか。

上記の項目のうち、 いずれか が「いいえ」となった場合は、特に慎重に 輸入者等、最終需要者及び用途について確認するよう努めてください。

 

II.輸出許可申請、役務取引許可申請又は特定記録媒体等輸出等許可申請に係る添付書類等について

 1.提出書類

輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物の輸出又は外為令別表の1から15までの項の中欄に掲げる技術の提供を目的とした取引若しくは当該取引に関する行為を行う者(輸出者)は、外為法第48条第1項、同法第25条第1項又は外為令第17条第2項の規定に基づく輸出許可申請、役務取引許可申請又は特定記録媒体等輸出等許可申請を行う場合に、以下 の(1)、(2)又は(3)に従った手続を行ってください。

(1)輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物を輸出しようとする場合

別表1の貨物の欄に掲げる貨物を同表の仕向地の欄に掲げる地域に輸出しようとする者は、同表の提出書類の欄に掲げる書類を添えて、同表の申請窓口の欄に掲げる担当課に申請してください。提出書類の一覧については別表4に、提出書類の具体的な記載要領等については別記1に示します。

2.注意事項

(1)最終用途誓約書について

輸出令別表第1の2から4までの項若しくは15の項の中欄に掲げる貨物の輸出又は外為令別表の2から4までの項若しくは15の項の中欄に掲げる技術の提供にあたっては、輸入者等又は最終需要者(需要者等)から、1.(1)、(2)又は(3)に従って最終用途誓約書(誓約書)を取得してください。

(4)仕向地・ 提供先国、貨物の種類、仕様、技術の内容、数量等によっては、最終需要者が確定していないことを理由に許可しないことがあります。

 

III.許可後の手続き(管理人注:輸出許可を得て輸出した貨物や技術の再輸出、再販売、再提供)

1.貨物又は 技術の再輸出若しくは再販売又は再提供に係る事前同意手続き

(1)提出書類

許可申請時に最終需要者が確定していない場合

(イ) 輸出令別表第1の2から4までの項

若しくは15の項の中欄に掲げる貨物の輸出又は外為令別表の2から4までの項若しくは 15の項の中欄に掲げる技術の提供であって最終需要者が確定していない取引について、 許可申請時に提出した輸入者等 による誓約書に基づき、輸入者等から、輸出した貨物の再輸出若しくは再販売又は提供した技術の再提供(再輸出・再販売等)を行うための事前同意を求められた 場合、輸出許可又は役務取引許可の条件に従って③の(イ)~(ト)に従った書類を安全保障貿易審査課あて提出してください。

(ロ)補修品に関する事前同意手続きが不要な場合<略>

許可申請時に最終需要者が確定している場合

輸出令別表第1の2から4までの項若しくは15の項の中欄に掲げる貨物の輸出又は外為令別表の2から4 までの項若しくは15の項の中欄に掲げる技術の提供であって最終需要者が確定している取引について、許可申請時に提出した最終需要者による誓約書に基づき、最終需要者から、その貨物の再輸出又は技術の再提供(技術の再提供については、当初の技術の提供先国以外の国 で提供する場合に限る。以下「再輸出等」という。)を行うための事前同意を求められた場合、輸出許可又は役務取引許可の条件に従って③の(イ) ~(ト) に従った書類を安全保障貿易審査課あて提出してください。

(2)注意事項

輸出した貨物が費消されたとき、提供した技術が公知のものとなったとき、輸出した貨物若しくは提供した技術が 規制対象の仕様を満たさなくなったとき又は貨物・技術の規制が改正され非該当となったときは、誓約書に基づく事前同意は不要となります。

我が国又は「い地域①」を仕向地とする貨物の再輸出又は技術の再提供である場合については、経済産業省から特に指示のあるものを除き、経済産業省の事前同意を得ることは不要とします

 

IV. 用語の解釈

4.「再提供」の定義

再提供とは、当初許可された需要者等 が、提供された技術を当初許可された者以外の第三者に提供することをいいます。

 

別表1貨物、仕向地及び提出書類 :

   (貨物 仕向地 提出書類 申請窓口 がマトリックスで示されている。)

別表2 技術、提供先国及び提出書類

    (技術、提供先国 提出書類 申請窓口がマトリックスで示されている。)

別表3 国及び地域区分の対照表

別表4 提出書類一覧 

   (例)提出書類B2

    番号  提出書類 通数 注意事項及び記載要領

            ①  輸出許可申請書 2通 運用通達別表第3

            ②      輸出許可・役務(プログラム)取引許可申請内容明細書 1通 別記1(ア)

            ③      契約書等及びその写し 各1通 別記1(イ)

            ④      輸出令別表第1の記載項目との対比表等 該当貨物毎に各1通 別記1(ウ)

            ⑤      カタログ又は仕様書等の技術資料 1通 別記1(エ)

            ⑥      需要者等の事業内容及び存在確認に資する資料 1式 別記1(オ)

            ⑦      需要者等の誓約書(輸入者の誓約書。最終需要者が未定の場合に限る。)1通 

(20161210)

【例外】輸出貿易管理令

第四条 (特例)

法第48条第1項 の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

ただし、別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物については、この限りでない。(管理人注:武器は対象外)

一 仮陸揚貨物のうち...

二 イ  船用品

  ロ 飛行機部品

  ハ JICA資材

  ニ 公用貨物

  ホ・ヘ 無償貨物→無償告示 修理、展示会、一時入国携帯

三 キャッチオール→補完規制通達(使われないことが明らかなガイドライン)

 イ 16の項の貨物が核開発用途に使われるおそれ、需要者が核開発してるおそれ→核兵器開発等省令

 ロ 上記の恐れアリと経産省からInform

 ハ 16の項の貨物が1の項(通常兵器)開発用途に使われるおそれ→通常兵器開発省令

   ニ 上記の恐れアリと経産省からInform

四 少額特例 5の項~13の項、15の項

包括許可

輸出貿易管理規則

第2条の2  経済産業大臣は、必要があるときは、法第四十八条第一項 の規定による経済産業大臣の許可又は令第二条第一項 の規定による経済産業大臣の承認を受ける手続について、第一条の規定にかかわらず、特別な手続を定めることができる。

 

輸出貿易管理令(税関の確認等)

第5条  税関は、経済産業大臣の指示に従い、貨物を輸出しようとする者が法第48条第1項 の規定による許可を受けていること又は当該許可を受けることを要しないことを確認しなければならない。

注:貨物内蔵の技術について、税関は確認義務はない。

【例外】無償貨物 無償告示

  無償で輸出すべきものとして無償で輸入した貨物

  修理特例 本邦から輸出された貨物であって、本邦において修理された後再輸出されるもの

・つまり日本から輸出した貨物が故障したので一旦日本に戻して修理し、再度輸出する際には輸出許可不要。

管理人注:

           ・「イロ(ハ)ニ」要件に該当した場合でも、修理特例は適用できる。(不可の旨の言及ない。)      

    ・輸入した貨物が故障して修理のために輸出する際は無償告示は適用されない。

・運用通達4-1-2(5)(イ) 「本邦から輸出された貨物であって、本邦において修理された後再輸出するもの」とは、本邦から輸出した貨物を本邦において修理するために輸入し、修理完了後当該貨物の本邦への輸出者に再輸出するものであって、修理した貨物が本邦から輸出したときの仕様から変更のないものをいい、修理には1対1の交換を含むものとする。なお、当該修理が無償か有償かを問わないものとする。

2 本邦において映画を撮影するために入国した映画製作者が輸入した映画撮影用の機械及び器具

3 本邦において開催された博覧会、展示会、見本市、映画祭その他これらに類するものに外国から出品された貨物であって、当該博覧会等の終了後返送されるもの(輸出貿易管理令別表第4に掲げる地域(特定地域)以外の地域から輸入された貨物であって、特定地域を仕向地として返送されるものを除く。)

4 保税展示場で開催された国際博覧会、国際見本市その他これらに類するものの運営又はこれらの施設の建設、維持若しくは撤去のために必要な貨物であって、当該国際博覧会等の終了後返送されるもの(特定地域以外の地域から輸入された貨物であって、特定地域を仕向地として返送されるものを除く。)

5 ATAカルネ(通関手帳)により輸入された貨物であって、通関手帳により輸出されるもの

6 一時的に入国して出国する者が携帯し、又は税関に申告の上別送する輸出貿易管理令別表第1の9の項の中欄に掲げる貨物であって、本人の使用に供すると認められるもの

7 一時的に入国して出国する者が携帯し、又は税関に申告の上別送する輸出貿易管理令別表第1の12の項の中欄に掲げる貨物であって、貨物等省令第11条第十三号に該当するもののうち、本人の使用に供すると認められるもの

8 他の貨物を運搬するために使用される貨物として輸入した一定の貨物であって、輸入した後返送のため輸出するもの(特定地域を仕向地として輸出する貨物を除く。)

9 本邦において原子力災害等の災害が発生した場合における援助の用に供するため外国政府、国際機関等から輸入した貨物であって、当該援助の終了後返送のために輸出するもの

 

二 無償で輸入すべきものとして無償で輸出する貨物

1 国際緊急援助隊の貨物であって、当該業務の終了後本邦に輸入すべきもの

2 原子力事故又は放射線緊急事態の場合における援助に関する条約に基づく援助の用に供するために援助を要請する締約国に輸出される資材又は機材であって、当該援助の終了後本邦に輸入すべきもの

3 国際協力機構が派遣する専門家が行うものの用に供するために輸出される貨物であって、当該技術協力の終了後本邦に輸入すべきもの

4 国際間海底ケーブルの障害復旧及び障害防止のために輸出する復旧機材並びに修理船及びケーブル陸揚局で用いる機器類であって、当該障害復旧作業及び障害防止作業の終了後本邦に輸入すべきもの

5 一時的に出国する者が携帯し、又は税関に申告の上別送する輸出貿易管理令別表第1の9の項の中欄に掲げる貨物であって、本人の使用に供すると認められるもの

6 一時的に出国する者が携帯し、又は税関に申告の上別送する輸出貿易管理令別表第1の12の項の中欄に掲げる貨物であって、貨物等省令第11条13号に該当するもののうち、本人の使用に供すると認められるもの。

(管理人注:したがって例えば輸出例別表第1の12の号に該当する水中カメラ(貨物等省令第11条第5号に該当)は自己使用目的でも、国外持ち出し時に輸出許可必要。)

 7 他の貨物を運搬するために使用される貨物として輸出する一定の貨物であって、輸出した後輸入すべきもの。

【例外】部分品特例 輸出貿易令別表第1の1から15までの項の貨物の部分品特例 

(運用通達で認めている特例)

・輸出しようとする貨物のごく一部として規制対象となる貨物が組み込まれている場合、そのごく一部の貨物自体はリスト規制貨物としては扱わない。(その、ごく一部の貨物を単独で出荷する場合は、リスト規制貨物となる。)

 

1-1-(7) 輸出令別表第1の中欄に掲げる貨物に関する輸出の許可

(イ) 輸出令別表第1の解釈

(中略)

輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物であっても、

他の貨物の部分をなしているもの(*)であって、当該他の貨物の主要な要素となっていない又は当該他の貨物と分離しがたいと判断されるものは、以下の場合を除き、輸出令別表第1の1から15までの項の中欄に掲げる貨物のいずれにも該当しないものとして扱う。

*輸出令別表第1の8の項に掲げる貨物であって、貨物等省令第7条において「他の装置に内蔵されたもの」とされている場合を除く。)

 

出令別表第1の1の項(3)若しくは(13)に掲げる貨物、又は、2の項(3)に掲げる貨物であって貨物等省令第1条第三号に該当するもの若しくは4の項 (6)に掲げる貨物であって貨物等省令第3条第七号に該当するものが、当該他の貨物に混合されている場合→輸出許可必要

①以外の貨物であって、当該貨物が当該他の貨物に混合されていてその主要な要素となっており、当該他の貨物がその状態で当該貨物の用途に用いることができる場合→輸出許可必要

(注1) の貨物の部分をなしているとは、ある特定の他の貨物の機能の一部を担っており、かつ、当該他の貨物に正当に組み込まれ又は混合された状態をいう。この場合 であって、出荷に際し、輸送上の理由等により暫時分離するものについては、他の貨物の部分をなしているものと判断される。また、他の貨物が機能するために 全く必要のないものや、通常の出荷時とは異なる過剰なスペックのものを取り付ける等、正当に組み込まれ又は混合されたものでない場合においては、他の貨物 の部分をなしているものと判断されない。

(注2) の貨物の主要な要素となっているか否かについては、量、価額などを考慮して判断するものとする。組み込まれ又は混合されている貨物の価額(輸出令別表第1 における項の番号の下の括弧レベル毎に貨物を分類し、組込先又は混合先の他の貨物の中に同一の分類となる複数の貨物が含まれる場合には、それらを合計す る)が組込先又は混合先の他の貨物の価額の10%を超えない場合(10%ルール)、組み込まれ又は混合されている貨物は組込先又は混合先の他の貨物の主要な要素となっていないと判断される。価額は、初期製造時の市場価格を元に判断することを基本とする。(管理人注:仕入れ値とされる。)

(注3) 電子部品にあっては、半田付けの状態にある場合には、他の貨物と分離しがたいと判断される。

35%ルール (輸出令別表第1中解釈を要する語)

他の装置に内蔵されている電子計算機又は附属装置の購入価額が当該装置の販売価額の35%を超えることをいう。

【例外】少額特例 輸出貿易管理例別表第1の5~13, 15の項

輸出貿易管理令第4条第1項第4号

本来は輸出許可が必要な場合でも、輸出価格が一定額以下の場合、輸出許可を得ずに輸出することができる。

ただし、対象となる貨物、仕向け地に制約がある少額特例は要件を満たしている場合に自動的に適用される。輸出通関をする際の輸出申告書に、少額特例適用の旨を表示して申告すればよい。

 

仕向け地

ホワイト国

ホワイト国以外

別表第三の地域(ホワイト国)以外の地域を仕向地

国連武器

輸出禁止国

別表第三の二に掲げる地域(イラク及び北朝鮮をのぞく)

(アフガニスタン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、エリトリア、イラク、レバノン、リベリア、リビア、北朝鮮、ソマリア、スーダン)

イラク及び北朝鮮

 

別表第四の地域

別表第1

513の貨物

15の貨物

総価額100万円以下

輸出許可不要

イ、ロ及びニのいずれの場合にも該当しなければ輸出許可不要。

 

イからニまでのいずれの場合にも該当しないときに輸出許可不要。

 

 

少額特例は適用されない

別表第33

貨物

(告示貨物)

総価額5万円

以下

イ その貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれありと経済産業省令で定めるとき。

ロ その貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれありと経産大臣からインフォームを受けたとき。

ハ その貨物が通常兵器の開発、製造又は使用のために用いられるおそれありと経済産業省令で定めるとき。

ニ その貨物が通常兵器の開発、製造又は使用のために用いられるおそれありと経産大臣からインフォームを受けたとき。

 

(METI Q&A) この「総価額」は、個々の貨物の価格ではありません。1回の輸出契約ごとに対して、その輸出貨物のうち輸出許可の対象となる貨物を輸出貿易管理令の別表第1の各項のカッコごと(例えば「7項(4)」「10項(7の2)」などのそれぞれ)に区分けしたものを「総価額」として、少額特例が適用されることになります。したがって、1件の輸出の中で、輸出許可を必要とする貨物の輸出と少額特例により輸出許可が不要となっている貨物の輸出がまとめて行われることもあります。

・例えば契約総額が200万円で、4回に分けて均等に船積みするから1回の船積み金額は50万円だからといって、小額特例が適用できるわけではない。

(*)4-1-4 輸出令第4条第1項第四号の解釈(運用通達)輸出令第4条第1項第四号の「総価額」として積算すべき貨物の範囲は、輸出令別表第1の各項の中欄のうち括弧毎の貨物とし、輸出令第4条第1項第四号に規定された条件は各々の総価額ごとに判断する。ただし、積算すべき貨物の範囲に輸出令別表第3の3に掲げる貨物とそれ以外の貨物が混在する場合にあっては、輸出令別表第3の3に掲げる貨物の積算額及びそれ以外の貨物の積算額を各々の総価額とする。(20160715)

→管理人注:7の項(1)のA貨物80万円、B貨物50万円なら( ) ごとの合算で130万円となり、少額特例使用不可。 7の項(1)のA貨物80万円、7の項(2) C貨物50万円ならともに100万円以下なので、少額特例使用可。

 

無償貨物の場合は、税関の鑑定額による。

技術には少額特例は適用されない。

キャッチオール規制に該当した場合でも、少額特例は適用できる。

キャッチオール規制

 

キャッチオール規制の対象貨物:

キャッチオール規制の対象となる貨物は輸出貿易管理令別表第1の16の項に掲げられている。

 関税定率法別表第25類から第40類まで、第54類から第59類まで、第63類、第68類から第93類まで又は第95類に該当する貨物であって、リスト規制該当貨物を除いたものが規制対象

→食料品、木材等(通常兵器の開発等や大量破壊兵器の開発等との関連性が乏しい)以外のもの全てがキャッチオール規制の対象。

 

キャッチオール規制の対象外の仕向地:

16の項の貨物の仕向地がいわゆる「ホワイト国」と呼ばれる輸出貿易管理令別表第3に掲げる国の場合:

輸出令別表第1(16)の貨物については、輸出許可を得る必要はない。

・ホワイト国:

アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、

デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、

イタリア、大韓民国、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、

ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカ合衆国 の27カ国

 

キャッチオール規制の対象となる仕向地:

輸出令別表3の2(国連武器禁輸国)

アフガニスタン、イラク、リベリア、北朝鮮、レバノン、コンゴ民主共和国、コートジボワール、エリトリア、スーダン、リビア、ソマリア、中央アフリカ

② いわゆる「中間国」

国連武器禁輸国以外で、ホワイト国(輸出令別表第3)でもない国。中国、マレーシア、シンガポール、タイ、インド、UAE、エジプト、メキシコ、ブラジル、ペルーetc。

 

キャッチオール規制に該当するケース:

キャッチオール規制の対象となる貨物の用途または需要者が、核兵器等開発等省令に定める、

 いわゆる「大量破壊兵器キャッチオール規制」に該当する場合。(輸出貿易管理令第4条①第三号)

  <用途要件> <需要者要件>

② キャッチオール規制の対象となる貨物の用途が、通常兵器開発等省令に定める、

 いわゆる「通常兵器キャッチオール規制」に該当する場合。(輸出貿易管理令第4条①第三号)

 <需要者要件>のみ

③ 経済産業大臣から輸出許可の申請をすべき旨の通知を受けた場合。(輸出貿易管理令第4条①第三号ロ・ニ)

 

 <インフォーム要件> 

 

「キャッチオール規制に該当するケース」と「仕向地」との組合せ

輸出貿易管理令 第4条①三

キャッチオール規制の対象となる貨物を、国連武器禁輸国に輸出する場合は、イ、ロ、ハ、ニどれにも該当しないときは輸出許可不要。

キャッチオール規制の対象となる貨物を、いわゆる中間国に輸出する場合は、イ、ロ及びニのどれにも該当しないときには輸出許可不要。

    ↓

キャッチオール規制に該当する場合は、経済産業大臣の許可が必要となる。

 

 

輸出貿易管理令第4条①第三号

別表3の2地域(国連武器禁輸国)向けに

別表1_16の項の貨物を輸出する場合は、下記のイ、ロ、ハ、のいずれにも該当しなければ輸出許可不要。

別表3の2地域以外の地域(国連武器禁輸国ではないが、かといってホワイト国でもない国、中国、インドなど含む)向けに

別表1_16の項の貨物を輸出する場合は、下記の要件イ、ロ及びニのいずれにも該当しないこと。

ホワイト国向けに別1_16の項の貨物を輸出する場合

大量破壊兵器キャッチオール規制

 

ホワイト国以外は対象となる。用途要件、需要者要件に該当するかを確認し、該当しなければ通常兵器キャッチオール規制を確認する。

 

 

核兵器等:

(核兵器等開発等省令)

核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機であってその射程若しくは航続距離が300km以上のものに使われて困る貨物、核兵器を使いそうな相手に貨物が渡ることを阻止。

三号

1_16の項の貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合として「核兵器等開発等省令」で定めるケースに該当するとき:

 

 

○ 許可必要        ○ 許可必要

核兵器等開発等省令

用途

輸出文書等に、当該貨物が核兵器等の開発等若しくは別表行為(*)に用いられる旨記載/記録されているとき、又は、

・輸出者が、当該貨物が核兵器等の開発等若しくは別表行為に用いられる旨輸入者等から連絡を受けたときは、輸出許可が必要。

核兵器開発等省令別表行為:1核原料(除軽水炉),2原子炉(除発電),3重水,4核材料加工,5再処理,6軍委託の<農薬微生物毒素300km未満ロケット開発宇宙研究>

二、三 需要者

・その貨物の輸出に関する告示文書で、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行う(行なった)旨記載/記録されているとき、又は、

・輸出者が、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行う(行なった)旨輸入者等から連絡を受けたときは輸出許可が必要。

(当該貨物の用途、取引条件、態様から、当該貨物が核兵器等の開発等及び別表行為以外に用いられることが明らかなときを除く。)

・補完規制通達で「需要者は法人単位で考慮する」とあり、例えば親会社が核兵器開発したことがあっても、その子会社向けなら需要者要件には該当しない。

需要者が外国ユーザーリストに掲載されているときも輸出許可が必要需要者要件に該当しても「(当該貨物が核兵器等の開発等及び別表行為以外に用いられることが)明らかガイドライン(補完規制通達1(6))により、当該貨物の用途並びに取引の条件及び態様から、当該貨物が核兵器等の開発等及び別表行為以外に用いられることが明らかなとき輸出許可申請は不要。なお、補完規制通達1(3)のおそれの強い貨物例の懸念用途と、当該需要者の関与が懸念されている大量破壊兵器の種別<核兵器、生物兵器、化学兵器、ミサイル>とが一致する場合は、おそれありとされる。

X 許可不要

(ホワイト国向けに別1_16の項の貨物を輸出する場合、外為法の輸出許可は不要)

三号

1_16の項の貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれありと通知。

Inform

 

○ 許可必要        ○ 許可必要

 

 

 

X 許可不要

通常兵器キャッチオール規制

 

仕向地が国連武器禁輸国であれば用途要件を確認。

 

 "通常兵器"

(通常兵器開発等省令)

出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げる貨物(核兵器等に該当するものを除く。)に使われて困るものをキャッチする。

三号

1_16の項の貨物が通常兵器の開発等に用いられるおそれがある場合として通常兵器開発等省令で定めるケースに該当するとき:

 

○ 許可必要

 

通常兵器開発等省令

用途

・当該貨物の輸出に関する文書等に、当該輸出貨物が通常兵器の開発等に用いられることとなる旨記載/記録されている、又は、・輸出者が、当該輸出貨物が通常兵器の開発等に用いられることとなる旨輸入者等から連絡を受けたとき(例外あり。)は輸出許可が必要。

  X  許可不要

 

N/A

ホワイト国じゃないけど、国連武器禁輸国でも無い国向け(例えば中国)なら、非リスト品の需要者が軍と取引あっても、また、通常兵器の開発に使うと聞かされても許可不要。

(別表第三の二に掲げる地域以外の地域を仕向地として輸出しようとする場合にあつては、イ、ロ及びニのいずれの場合にも)該当しないとき。)

 

X 許可不要

三号

1_16の項の貨物が通常兵器の開発等に用いられるおそれありと通知。

Inform

 

○ 許可必要        ○ 許可必要

 

 

X 許可不要

 

補完規制通達

1.輸出者が確認すべき事項

輸出者は、貨物の輸出又は技術の提供を行おうとする際には、1から15までのリスト規制に該当するかどうかの確認(該非確認)を実施し、非該当と判断した場合は、以下の(1)から(6)の事項について確認を行い、補完的輸出規制に係る許可申請が必要か否かを判断しなければならない。

(1) 貨物又は技術の確認

輸出しようとする貨物又は提供しようとする技術が、以下の①又は②のいずれかに該当するかを確認し、該当する場合は(2) の確認を行うこと。該当しない場合は、補完的輸出規制に係る許可申請を行う必要はない。

①当該貨物が輸出令別表第1の16の項の中欄に掲げるものであるとき

②当該技術が外為令別表の16の項の中欄に掲げるものであって、当該技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体の提供又は電気通信による当該技術を内容とする情報の送信を伴うものであるとき

(2) 仕向地等の確認

貨物を輸出しようとする場合にあっては、その仕向地が輸出令別表第3地域(ホワイト国)以外であるかを確認し、ホワイト国以外の場合は(3)~(5)の確認を行うこと。

技術を提供しようとする場合にあっては、①その提供地が輸出令別表第3地域(ホワイト国)以外であるか又は②提供を受ける者が輸出令別表第3に掲げる地域以外の非居住者であるかについて確認し、いずれかに該当する場合には、貨物の輸出の場合と同様に(3)~(5)の確認を行うこと。

また、技術の提供を目的とする取引に関して、a)外為令別表の16の項の中欄に掲げる技術( 特定技術)を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体を輸出令別表第3に掲げる地域以外に輸出しようとするとき又は b)輸出令別表第3に掲げる地域以外において受信されることを目的として

行う電気通信による特定技術を内容とする情報の送信を行おうとするときについても、同様に(3)、(4)及び(5)の確認を行うこと。

(3) おそれの強い貨物例の懸念用途

下記に掲載する貨物は、国際輸出管理レジームの合意に基づき定めた規制リスト品目に該当しないもののうち核兵器等の開発等に用いられるおそれが特に強い貨物の例である。したがって、これらの貨物を輸出又はこれらの貨物に関する技術を提供する際には、懸念相手先等における核兵器等の開発等を助長することがないよう、輸出者等において(4)及び(5)の用途・需要者の確認を特に慎重に行うこと。該当しない場合であっても、(4)及び(5)の確認を行うこと。

(例)品目                           懸念される用途

   29. 大型トラック(トラクタ、トレーラー、ダンプを含む)   ミサイル

(4) 用途の確認

(5) 需要者の確認

(6) 明らかガイドライン

 

2. 事前相談

3.経済産業大臣から許可申請すべき旨の通知を受けた場合

4.申請手続き

(1) 申請窓口 安全保障貿易審査課

(2) 申請に必要な書類

5. 輸出貨物等が核兵器等の開発等に用いられる疑いがあること等を輸出者等が知った場合の取扱い

以下に掲げるとおり、核兵器等の開発等又は核兵器等開発等省令中別表に掲げる行為のために輸出貨物等が用いられる疑いがあること等を輸出者等が知った場合には、速やかに、別記2に掲げる記載要領に従い、様式3に定める様式(2通)により、その旨を安全保障貿易審査課に報告すること。

なお、報告の内容によっては、輸出令第4条第1項第三号ロ若しくは第四号ロ又は貿易外省令第9条第2項第七号ロ若しくは第八号ロの規定に基づく経済産業大臣からの通知をすることがある。

① 輸出令別表第1の16の項の中欄に掲げる貨物を同表下欄に掲げる地域を仕向地とする輸出

(同令第4条第1項第一号及び第二号のいずれにも該当せず、かつ、同項第三号イ及びロ若しくは第四号イ及びロに該当しないものに限る。)をしようとする者は、その貨物が核兵器等の開発等若しくは核兵器等開発等省令の別表に掲げる行為のために用いられることとなることを、輸入者、需要者及びこれらの代理人以外の者からの情報により知った場合

②外為令別表の16の項の中欄に掲げる技術を同項下欄に掲げる外国において提供することを目的とする取引若しくは当該外国の非居住者に提供することを目的とする取引又は当該取引に関する当該技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体(以下「特定記録媒体等」という。)の輸出若しくは当該技術を内容とする情報の電気通信による送信(貿易外省令第9条第2項第一号から第六号まで又は第九号から第十四号までのいずれにも該当せず、かつ、第七号イ若しくはロ又は第八号イ若しくはロに該当しないもの(特定記録媒体等の提供若しくは電気通信による当該技術を内容とする情報の送信を伴わないものを除く。)に限る。)を行おうとする者は、その技術が核兵器等の開発等若しくは核兵器等開発等省令の別表に掲げる行為のために利用されることとなることを、当該取引の相手方、当該技術を利用する者及びこれらの代理人以外の者からの情報により知った場合

6.用語の解釈

(A) 核兵器等開発等省令又は核兵器等開発等告示における用語の解釈

(1)「その貨物の輸出」

その貨物の輸出とは、輸出令別表第1の16の項の中欄に掲げる貨物に該当する貨物に関して、個々の契約毎の輸出をいう。したがって、一度許可をした同一貨物の同一需要者に向けた「再度の輸出」であっても、契約が異なれば新たな許可申請要否判断の対象となる。

(2)「輸出者が入手した文書等」

輸出者がその貨物を輸出するにあたっての、個々の契約に限定されず、当該輸出者が輸出の前に入手した全ての文書等(文書、図画若しくは電磁的記録、電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。))をいう。ただし、これは輸出者に対して特定の文書等の入手を義務づけるというものではなく、通常の商慣習の範囲内で入手した文書等との趣旨である。

なお、省令第二号及び第三号については、「輸出者が入手した文書等のうち経済産業大臣が告示で定めるもの」(文書等告示)。

文書等告示第一号は、輸出者が当該輸出の適切な実施に資するものとして入手した文書等(通常の商慣習の範囲内で入手した文書等)に関する規定である。なお、その貨物の輸出に際して輸出者が入手した各種海外情報等の調査結果は文書等告示第一号の「その他の輸出者が入手した文書等」に含まれる。

文書等告示第二号は、外国ユーザーリストに関する規定である。外国ユーザーリストを入手した場合には、輸出時に外国ユーザーリストを確認したか否かを問わず、「輸出者が入手した文書等」に該当することとなる。

文書等告示第三号は、第一号及び第二号に掲げるもののほか、「その貨物の輸出に際して、輸出者がその内容を確認した文書等」に関する規定である。例えば、過去の取引において入手し、倉庫等に保管されていた文書等で、その貨物の輸出に際して内容確認を行った文書等はここでいう「輸出者が入手した文書等」に該当することとなる。

なお、およそ当該輸出者の取引実態から考えて、当該輸出者が確認すると考えられないもの、例えば、当該輸出者にとって特異な言語で書かれた文書や極めて大部な文書は、ここでいう「輸出者が入手した文書等」には該当しない。(ただし、その内容を確認した場合にはこの限りでない。)

(3) 「需要者」

「需要者」は「当該貨物を費消し、又は加工する者」をいう。

その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、輸出段階で需要者が不明の場合は、省令第二号及び第三号に該当しない。

また、輸出時点から全く形状、性質が変更された物を費消し、又は加工する者は、ここでいう需要者には該当しない。

需要者は法人単位で考慮することを原則とし、例えば、核兵器等の開発等を行う等の情報がもたらされている法人が当該輸出貨物の需要者の株式を保有している、又は、核兵器等の開発等を行う旨の情報がもたらされている親会社たる法人が当該輸出貨物の需要者に役員を派遣している等、輸出貨物の需要者が核兵器等の開発等を行う者との資本的・人的関係を有している場合であっても、それらが別法人であれば、省令第二号及び第三号には該当しない。

なお、需要者が行政機関である場合には、原則として行政機関単位で判断する。

(4) 「これらの代理人」

「これらの代理人」は「輸入者又は需要者に代わって意思表示をなし、又は意思表示を受領し、その法律効果が直接輸入者又は需要者に帰属する関係にある者」を意味する。

(5) 「連絡を受けた」

連絡手段は問わない。

なお、いわゆるライバル企業等の第三者から連絡を受けた場合については、当該者が輸入者若しくは需要者又はこれらの代理人に該当しない場合は、ここでいう「連絡を受けた」場合に該当しない。

(6) 「需要者が行う(行った)」

「行う」は現在及び将来の事象に係る規定、「行った」は過去の事象に係る規定。

その貨物の輸出に関する契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を「行う」又は「行った」旨示されている場合に需要者要件に該当することとなり、輸出者が単にその旨を知っているだけでは需要者要件に該当しない。

また、「需要者自身」が行うことが必要であり、例えば、需要者自身が核兵器等の開発等を行うことが、契約書、輸出者が入手した文書等又は輸入者等からの連絡において示されていない場合や、需要者が核兵器等の開発等を行う者との取引実績があることが示されているだけでは需要者要件に該当しない。

 

明らかガイドライン (補完規制通達1(6))

大量破壊兵器等及び通常兵器に係る補完的輸出規制に関する輸出手続等について

1. 輸出者が確認すべき事項

(中略)

(6)(当該貨物が核兵器等の開発等及び別表行為以外に用いられることが)「明らかなとき」を判断するためのガイドライン

輸出者又は取引を行おうとする者(以下「輸出者等」という。)が、核兵器等開発等省令第二号及び第三号又は核兵器等開発等告示第二号及び第三号に規定する「明らかなとき」(以下「明らかなとき」という。)を判断するためのガイドラインを以下のとおり提示する。なお、経済産業省は、輸出者等が本ガイドラインに基づき貨物の輸出又は技術の提供に際し厳正に審査を行うことを推奨する。

 

輸出者等は、「明らかなとき」を判断するに当たり、以下に掲げる事項(輸出する貨物等の用途並びに取引の条件及び態様からあてはまらない事項は除く。)を確認すること。

 

輸出者等は、通常の商慣習の範囲で取引相手等から入手した文書その他の情報によって確認を行うこととし、入手した文書その他の情報のうち自らにとって都合の悪いものに対し目隠しをしないこと。

 

確認の結果に疑義がある場合には商談を進める前に疑問点の解決に努めること。確認の結果、当該輸出又は提供が「明らかなとき」と判断できない場合には許可申請が必要であるため、4.の申請手続きに従い申請を行い、許可を受けなければ、当該輸出又は提供をすることができない。なお、判断が困難な場合には、必要に応じ経済産業省貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易審査課(以下「安全保障貿易審査課」という。 )に相談することができる。

 

[貨物等の用途・仕様]

①輸入者、需要者又はこれらの代理人から当該貨物等の用途に関する明確な説明があること。

②需要者の事業内容、技術レベルからみて、当該貨物等を必要とする合理的理由があること。

[貨物等の設置場所等の態様・据付等の条件]

③当該貨物等の設置場所又は使用場所が明確であること。

④当該貨物等の設置場所又は使用場所が軍事施設内若しくは軍事施設に隣接している地域又は立ち入りが制限されている等の高度の機密が要求されている地域である場合は、その用途に疑わしい点があるとの情報を有していないこと。

⑤当該貨物等の輸送、設置等について過剰な安全装置・処置が要求されていないこと。

[貨物等の関連設備・装置等の条件・態様]

⑥当該貨物等が使用される設備や同時に扱う原材料についての説明があること。

⑦当該貨物等及び当該貨物等が使用される設備や同時に扱う原材料の組合せが、当該貨物等の用途に照らして合理的、整合的であること。

⑧異常に大量のスペアパーツ等の要求がないこと。

⑨通常必要とされる関連装置の要求があること。

[表示、船積み、輸送ルート、梱包等における態様]

⑩輸送時における表示、船積みについての特別の要請がないこと。

⑪製品及び仕向地から見て、輸送ルートにおいて異常がないこと。

⑫輸送時における梱包及び梱包における表示が輸送方法や仕向地などからみて異常がないこと。

[貨物等の支払対価等・保証等の条件]

⑬当該貨物等の支払対価・条件・方法などにおいて異常に好意的な提示がなされていないこと。

⑭通常要求される程度の性能等の保証の要求があること。

[据付等の辞退や秘密保持等の態様]

⑮据付、指導等の通常予想される専門家の派遣の要請があること。

⑯最終仕向地、製品等についての過度の秘密保持の要求がないこと。

[外国ユーザーリスト掲載企業・組織]

外国ユーザーリストに掲載されている企業・組織向けの取引については、リストに記載されている該需要者の関与が懸念されている大量破壊兵器の種別(核兵器、生物兵器、化学兵器、ミサイル)と、輸出する貨物等の懸念される用途の種別(1の(3 ))に掲げる 核兵器等の開発等に用いられるおそれの強い貨物例等を参考に、輸出しようとする貨物等の特性から判断すること。)が一致しないこと。

[その他]

⑱その他、取引の慣行上当然明らかにすべき事項に関する質問に対して需要者からの明確な説明がないこと等、取引上の不審点がないこと。