外国為替

外国向為替手形取引約定書

 

貨物の輸出にあたりL/Cを輸入者に開いて貰う場合は、輸出者側も取引銀行に話をつけておかなければダメ。要は、L/Cをもとに船積したあと、船荷証券と荷為替手形、インボイスその他をいきなり取引銀行に持って行っても換金してくれない。
まず、事前にL/Cの発行銀行が優良であること、この銀行のL/CならOKと、自社の取引銀行に確認してもらうこと、また、取引銀行とL/C発行銀行とがコルレス契約あるかも、相談すること。

銀行がL/C付き荷為替手形を買い取ってもらったとしても、万一それが決済されずに、銀行が「回収しそびれた」場合、取引銀行は輸出者に「回収しそびれたから、一旦買い取ったお金を返してください」と言ってくる。 「L/Cがあるのに何故!」と思うが、銀行は抜け目ない。 企業が銀行と外為取引を行う場合は、前もって「外国向為替手形取引約定書」という契約書を交わすことを求められる。その中に「輸出者は、外国向荷為替手形の買取を受けた後、支払義務者による支払・引受・債務の確認が拒絶された場合には、銀行の請求によって手形面記載の金額の買戻債務を負担し、直ちに弁済する」という項目がしっかり入っている。 

したがって、万一L/C付き荷為替手形が決済されなかったら、銀行は輸出者であるあなたに「払い戻しせよ」と言ってくる。その時、輸出者であるあなたに、銀行に返済するだけの資力がなければ、銀行が損をする。つまり、銀行はL/C付き荷為替手形を買い取る際には、実は輸出者に与信行為を行っていることになる。

L/C付き荷為替手形の買取を銀行に依頼することは、銀行は輸出者に与信行為を行っていることになるため、「外国向為替手形取引約定書」を取り交わすこととなる。

 

東京東信用金庫(ひがしん)の資料

http://www.higashin.co.jp/infomation/documents/foreign_exchange.pdf

 

さらに、L/C取引であってもL/C発行銀行の格付けによっては、銀行はL/Cつ付荷為替手形の買いとりを拒み、単に取り立て扱いとする場合もある。 

 

(20180927)

外国為替相場

【1】為替とは

現金を持ち運ぶのではなく、金融機関を介して振り込みの指図や小切手等により資金を移動させる事。

①仕向為替:為替取引を手続きの出発点から見た場合。送金する側→仕向け送金為替。

送金為替(並為替):支払い義務がある側から銀行に支払い手続きをして、受取り側に送金するもの。

②被仕向為替:為替取引きを反対の終着点から見た場合。送金の受取側→被仕向送金為替。

取立為替 (逆為替) : 支払を受ける側から、金融機関経由で、お金を取り立てるもの。輸出代金決済はこれ。

国際間で、現金を持ち運ぶのではなく、金融機関を介して決済を行うことを外国為替という。この場合、円建てであっても金融機関経由の国際決済であれば、外国為替取引である。

 

【2】売相場・買相場

①売相場:銀行から見て外貨を顧客に売る。

②買相場:銀行が外貨を顧客から買う。

③自国通貨建: 1US$=110円 日本、スイス他、大半がこの表示方法。

④外貨通貨建: 1円=US$0.9 英国、旧英国領、EUなどはこの表示方式。

 

【3】いろいろなレート

* Cash Selling Rate

 TTSに現金保管費用等を上乗せしたもので、日本円→米ドルの両替レート、外貨建て小切手買取レートなど。

* Acceptance Rate:一覧払い輸入手形決済相場

輸入L/C at sightの手形決済に使用される相場

・TTS+メール期間金利。L/C付輸入手形決済(外貨建)

   輸入地のL/C発 行銀行の海外コルレス先預け金勘定から、輸入手形金額が引き落とされる時~自行の

 顧客(輸入者)より決済を受ける時までの間、L/C発行銀行は 立替払をしていることになり、この期間

   を12日間としてメール期間金利が適用される。

 ↑

* TTS:1$=101

・日本から外国向け送金レート

・TTSにはmail interestは含まれていない。

外貨建て輸入の本邦ローンで期日に行われる決済では、為替予約が無いなら当日のTTSが適用される。

 ユーザンス金利は別途銀行に支払う。

 ↑

********* 対顧客仲値(TTM):1$=100 **************************************

午前10時頃のインターバンク市場を参考にして、

その日の顧客向け固定相場の基準としてそれぞれの銀行が決定して店頭に公示する相場。

米ドルの場合公示後、実勢レートが公示仲値から1円以上変動した場合は、1件10万ドル以上

の取引は市場連動制となる。2円以上変動した場合は公示相場の適用を停止して、改めて

実勢レートを反映して第2次公示相場が発表される。

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 ↓

* TTB:1$=99

・外国からTT送金されたドルを日本円に変える(円転)レート。

・TTBレートにはmail interest  は含まれていない。

・B/C扱いの場合、為替予約が無いなら代金が輸出者に支払われる日のTTBが適用される。

・L/Cで輸出者から外貨建て手形を買い取った買取銀行がL/C発行銀行とのコルレス契約にもとづいて直ちに発行銀行の預かり勘定からその買取代金を回収できる場合、買取銀行には何の資金負担も生じないので、手形買取はTTB

 ↓

* At Sight Rateとか、Credit at Sight Buying Rate

・TTB-mail interest

・輸出L/C at sight の買取相場 (信用状付き一覧払手形買相場)

輸出L/C at sight の手形を銀行に持ち込むと銀行はこのレートで手形を買取る。

買い取った銀行は自分が立て替えて輸出者に支払っているので、この立替代金を回収するために 12日間かかったとして12日分の金利(手形の郵送日数を12日としている。郵送期間分の金利として、メール金利という)相当を織り込んでTTBレートから引いて買い取っている。

TTBで予約しても実際の決済はTTB予約レートからその日のメール金利を引いたat sight rateとなる。

  ↓

*At Sight Buying Rate without L/C

・L/Cなし一覧払輸出手形を買い取るときの決済レート。 

・At Sight Rate-リスク料。

・輸入国の銀行による支払い保証が無いため、危険負担料として一定の金額が信用リスク料としてAt sight レート(mail interest控除済み)から差し引かれる。 

  ↓

*Cash Buying Rate

ドルを円に換える両替レート

  ↓ 

* Usance Bill Buying Rate とか、Time Bill Buying Rate

輸出期限付手形買取相場

TTB-Mail金利-手形金利

Mail金利:L/C買取銀行が輸出者の手形を買い取るに際し、立替払いしてから、L/C発行銀行からその資金を決済されるまでの金利。

 

【4】買持、売持

(1) 買持:外貨債権>外貨債務 その通貨が値下がり→為替差損

(2) 売持:外貨債権<外貨債務 その外貨が値上がり→為替差損

 

【5】現金の取扱い

100万円を超える現金、小切手、約束手形、有価証券、純度90%以上の重量が1Kgを超える金の海外への持ち出し、持込:税関長に「支払い手段の携帯輸出輸入届出書」2通を提出。

 

【6】外為法上の送金

「支払い又は支払いの受領に関する報告書」3,000万円以下の支払い、輸出入代金支払い時は免除

 

【7】SDR

Special Drawing Rights(特別引出権)の略。IMF加盟国の準備資産を補完する手段として、1969年に創設された国際準備資産。US$,日本円、英ポンド、ユーロ、2016年10月1日付けで5番目の構成通貨として中国の人民元(RMB)を、一定のウエイトをつけてバスケット方式によりSDRの価値が算出される。日経新聞の夕刊にSDRのレートが掲載されている。2016(平成28)年1月時点で1SDR=169.0885円。(20130331)

為替リスク回避策

為替リスクの回避

 

(1)先物相場

売りは先物のTTS, 買いは先物のTTBで、すべて電信相場

①順月確定日渡:将来の10月10日という特定日

②特定期間渡 

 ・特定期間渡 :10月1日から10月10日の特定期間

 ・暦 月 渡 :10月渡し、という特定の月

 ・順 月 渡 :9月15日~10月14日という特定の1月間

・先物相場と直物相場の開きを直先スプレッドという。今$1=110円 3ヶ月後$1=109.6は先物ディスカウントと言う。市場金利の高い通貨は先物ディスカウントとなる。

・為替予約時に決済資金を持っている必要はないが、期日には必ず決済しなければならない。そういう意味では外国為替予約は銀行から企業への与信行為である。

 

(2)通貨の選択

円建てでオファをしてみる。

 

(3)マリー

外貨建ての輸出と外貨建ての輸入の両方を行っている場合、輸出で受け取った外貨を日本円に両替せずに持っておき、輸入の取引の支払いにその外貨を用いる方法。これにより同一金額の範囲内では為替リスクを回避できる。1998年の外為法改正により日本国内間の取引でも外貨建てが使えるようになったので、場合によっては日本の売り先、買い先にも外貨建てで取引を試みる。

 

(4)リーズアンドラグス

外国通貨によって代金決済する場合、その決済時期を早く(Leads) したり遅く(Lags) したりして為替リスクを小さくしようとする方法。

 

(5) 通貨オプション

通貨を売買する権利。ある通貨を買う権利をコール、ある通貨を売る権利をプットと言う。

米ドル建て輸出の場合、米ドルを売って円を買うので、米ドル・プット/円・コールの権利を買う。

① たとえば本日が5月1日で1ドル110円として、「7月1日に1ドル110円で米ドルを売る権利」を、2円のプレミアムを支払って1ドル分購入したとする。

② 7月1日に円高で1ドル100円になったとする。オプションを行使して1ドル110円で売れば、10円−2円=8円の利益がでる。

③ 逆に7月1日に円安で1ドル120になったとする。米ドルを売る権利は1ドル110円なのでオプションを行使しても意味がない。オプションを行使せず、1ドル120円で売る。 この場合、オプションを買ったときのプレミア2円分が損失となる。

なお、ある権利の行使をする日が決まっているものをヨーロピアン・タイプ(これが一般的)、ある一定の期間内に権利の行使がなされるものをアメリカン・タイプと呼ぶ。

 

(6) 外国為替証拠金取引におけるスワップ取引

直物の売り(買い)と先物の買い(売り)を同時に同額で行う取引、もしくは、その逆の取引。

スワップコストは、取引を行う2つの通貨の金利差から計算される。

 

(7) 金融取引によるヘッジ

① 輸出:輸出契約書を元に、輸出代金相当額を円貨、外貨で借入れ金利差を利用して運用。

ドルならインパクトローン、コール市場から借入れる。

② 輸入:円シフトによるヘッジ 円を借りてドルに変え運用し、このドルで輸入代金決済。

 

(8)ネッティング

主に、日本の本社と現法との間で、同じ通貨建ての債権と債務を相殺して、一定期間単位にその帳尻を送金決済する方式。現地の為替管理により相殺が禁止されている場合もあるので要注意。