3国間貿易

東京のJapan Boekiは、タイの Thai Smile Corpから、測定器を100万円で受注した。
実際の貨物は米国LAのメーカーであるUS-Hero Inc.からタイへ直接輸出される。
Japan Boekiは米US-Heroから90万円で仕入れ、Thai Smileに100万円で販売する。

カネの流れは、Thai Smile(タイ)→Japan Boeki(日本)→US-Hero(米)となる。
商品(貨物)の流れは、US-Hero(米)→Thai Smile(タイ)となる。


1. 建値
(1) Japan Boekiと仕入先(輸出者)US-Heroとの建値:EWXかFOB(FCA)。
・価格に貨物海上保険を含めない。(CIFやCIPだと輸出者US-HeroがJapan Boeki向け仕切値をベースに付保するので、事故発生時や保険証券に記載からタイ側に買値がバレてしまう。)
・建値は海上運賃を含めない。(CIFやCIPだと輸出者US-Heroが現地でフォワーダーを手配し、間違ってJapan Boeki向けインボイスがタイの輸入者Thai Smileに届けられ、タイ側に買値がバレてしまう。日本側でフォーワーダーを手配し、タイ側へ送られる書類をコントロールできるようにしておく必要がある。)

(2) Japan Bokeiと売り先(輸入者)Thai Smileとの建値:CIF(CIP)、またはDDU、DDP。

 

2. 船積み書類
米国船積み時に、Shipper: Japan Boeki、Consignee: Thai Smile という形でB/LをUS-Hero側に作成してもらうことも可能だが、US-Heroが、仲立ちしているJapan Boekiを抜きで直接取引きする可能性もでてくる。仮に、バイヤー名は知らせるにしても、US-HeroからJapan Smile宛のInvoiceがThai Smileに直送され、Japan Smileの買値がタイ側にバレてしまう恐れがある。


(1) エンドユーザー名(Thai Smile)がシッパー(US-Hero)に知られても問題ない場合
① B/L SHIPPER: US-Hero of behalf of Japan Boeki ,  Consignee: Thai Smile
② 3. Invoice
・米国輸出時のINVOICE
メーカーであるUS-Heroが作成 SELLER  US-Hero,  BUYER   Japan Boeki
・タイ輸入時のINVOICE
日本のJapan Boekiが作成し、SELLER  Japan Boeki , BUYER    Thai Smile
Japan Boekiの仕入れ価格をThai Smileには知られたくないし、契約自体もThai SmileとJapan Boeki間であるので、INOICEを差し替える必要がある。

 

(2) エンドユーザー名(Thai Smile)をシッパー(US-Hero)に知らせない場合
① [B/L 1件目]
・US-Heroが米国で船積み時に発行。
・Shipper: US-Hero
・Consignee: Japan Boeki
・B/L上の積み地:LA, USA 仕向地 Bangkok, Thailand
INVOICE : SELLER     US-Hero 
      BUYER      Japan Boeki
② [B/L 2件目 = Switch B/L]
B/Lを差し替える作業を行う。(スイッチB/L)
・Switch B/Lでは、Shipper: Japan Boeki , Consignee: Thai Smile
・Switch B/L上の積み地:LA, USA 仕向地 Bangkok, Thailand
・Thai Smile がタイ側で貨物を引き取る際には、2件目のSwitch B/Lが必要
③ 輸入用のインボイスとパッキングリストの差し替えも行う
INVOICE : SELLER :Japan Boeki
              BUYER  :Thai Smile

 

スイッチB/Lを行うには、船積み地(LA)、B/L切り替えを行う場所(Tokyo)、仕向け地(Bangkok)の3国ともにフォワーダーが無いと対応できない。

 

3. エンドユーザー名がShipperに知られてしまうことについて
もちろん、貨物によっては米国安全保障上法令の要求によりシッパーが把握しておく必要があるものや、メーカーによるアフターサービスなどが必要な貨物であれば、バイヤー情報を知らせざるを得ないだろう。

 

4. Shipper名がエンドユーザーにしられてしまうことについて
素材製品の場合で、エンドユーザーが輸入通関に際して原産地証明書が必要な場合、メーカーが輸出国で取得するので、どうしても、メーカー名が判明してしまう。ただし、機械類であれば当然エンドユーザーはメーカー名を了解して上で購入している。

 

5. 三国間貿易は、貿易貨物は日本で通関することなく、その代金の支払い・受領のみを日本で決済する取引。1回あたり3000万円を超える場合、外為法55条の「支払または支払いの受領に関する報告書」の提出(事後報告)が義務付けられている。