輸出管理体制

201041日より「輸出者等遵守基準」が導入された。

これにより、反復継続して貨物の輸出、技術の提供を行う者は経済産業大臣が定める「輸出者等遵守基準」に従う必要がある。

 

「輸出者等遵守基準」では 

  リスト規制品・技術に該当か非該当かを確認する責任者 (該非確認責任者) を明確にすること、

 輸出等の業務に従事する者に対し、法令遵守のための必要な指導をすること、(努力義務でなく、法的義務)

が求められている。

 

更に、「リスト規制」に該当する貨物・技術(特別重要貨物等)を扱う場合は、大量破壊兵器などに転用されるおそれが大きいので、次の9項目も求められる。

イ 組織を代表する者の中から輸出管理の責任者(統括責任者)を選任する、(該非確認責任者と兼任可) 

ロ  輸出管理体制(業務分担・責任関係)を明確にする、

ハ リスト規制品・技術に該当か否かを確認する手続きを明確にする、

ニ  用途やエンドユーザーを確認する手続きを明確にする、

ホ  リスト規制品・技術か否かを確認したものと、輸出するものが一致するかを確認する、

ヘ  輸出管理の監査手続きを定め、実施するよう努める、

ト  法令に則った輸出や技術提供を実施するための研修の実施に努める、

チ  輸出・技術提供関係の文書などを適切な期間保存するように努める、

リ  法令違反などが発覚した場合は、速やかに経済産業大臣に報告し、再発防止策を実施する。経済産業大臣は、基準に従い指導や助言、違反があった際には勧告・命令を行うことができ、命令に違反した場合は罰則の対象となる。

 

 「輸出者等遵守基準」は法が定めた基準を守るという受身のものだが、これを包含した上で更に、企業が自主管理として輸出貿易管理に関する一連の手続きを内部規程として任意に定めることがある。これを「輸出管理内部規程」、通称CP (Compliance Program)と言う。

また、単に自社だけで定めるのではなく、「輸出管理内部規程を整備した」として経済産業省に届け出ると、個別の輸出許可を取ることなく輸出者等の自主管理の下で一定範囲のリスト規制品等を包括的に輸出等を行える「一般包括許可」の取得が可能となるなどのメリットが得られる。届出の過程では、経済産業省から業種・業態に応じた策定に関する指導が受けられる。

輸出管理内部規程の届出等について 輸出注意事項 最終改正H24828

 

輸出管理内部規程の新規届出について

 

輸出管理内部規程を新規に経済産業大臣に届け出る場合には、以下の資料(①から④まで)を各1通ずつ下記7あてに提出すること。輸出管理内部規程とは、外為法を始めとする輸出関連法規(以下「外為法等」という。)の遵守事項(別紙1に定めるもの。以下「外為法等遵守事項」という。)をすべて含む内部規程(複数の規程によって構成されるもの、輸出管理以外の事項をも包含するもの、規程の一部について他者の輸出管理内部規程を引用し、又は準用して読み替えるものを含む。)をいう。

 

①輸出管理内部規程【様式任意】

 

②輸出管理内部規程の届出について【様式1】

 

③輸出管理内部規程総括表【様式2】

 

④輸出者等概要・自己管理チェックリスト【様式3】

 

輸出管理内部規程が経済産業大臣に受理され、かつ、本通達の内容を満たすと認められる場合には、届出者に対して「輸出管理内部規程受理票【別紙2】」及び「輸出者等概要・自己管理チェックリスト受理票【別紙3】」が発行される。

(別紙1)外為法等遵守事項

I 基本方針

組織の基本方針として、外為法を始めとする輸出関連法規(輸出者等遵守基準並びにリスト規制、大量破壊兵器キャッチオール規制及び通常兵器補完的輸出規制を含む。)の遵守を明確に定め、届出者の責任において、これを周知徹底し、かつ、実行すること。

II 個別事項

(輸出者等遵守基準並びにリスト規制、大量破壊兵器キャッチオール規制及び通常兵器補完的輸出規制に対応していること。)

1輸出管理体制(輸出者等遵守基準を定める省令(平成21年経済産業省令第60号。以下「遵守基準省令」という。)第1条第一号並びに第二号イ及びロ関係)組織を代表する者を輸出管理の最高責任者(遵守基準省令第1条第二号イの統括責任者に相当する。)とし、輸出管理に関する業務分担及び責任範囲を明確にすること(遵守基準省令第1条第一号並びに第二号イ及びロを含む。)。

2取引審査(該非判定(遵守基準省令第1条第一号イの該非確認を含む。以下同じ。)を含む。)(遵守  基準省令第1条第一号イ並びに第二号ハ及びニ関係)

(1)取締役又は執行役若しくは執行役員(ただし、会社以外にあってはそれに相当する者。以下「取締役等」という。)が取引審査の最終判断権者(以下「最終判断権者」という。)となり、疑義ある取引の遂行を未然に防止すること。ただし、当該最終判断権者の権限は、輸出管理内部規程の定めるところにより、その一部を他の取締役等又は取締役等に準ずる者に委任することができる(遵守基準省令第1条第一号ロ及び第二号ロを含む。)。

(2)該非判定に関して手続を明確にし、実施すること(遵守基準省令第1条第一号イ

及び第 二号ハを含む。)。

(3)顧客に関する審査に関して手続を明確にし、実施すること。

(4)需要者及び用途の確認を行うこと(遵守基準省令第1条第二号ニを含む。)。

3出荷管理(遵守基準省令第1条第二号ホ関係)

(1)輸出等を行おうとする際に、出荷を行おうとする貨物及び技術と当該貨物及び技術の輸出関連書類等(輸出等の業務に関する文書、図画若しくは電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)をいう。以下同じ。)に記載され、又は記録された当該貨物等を特定する事項が同一であることの確認を行うこと(遵守基準省令第1条第二号ホを含 。) 

(2)通関時の事故が発生した場合には、輸出管理部門に報告すること。

4監査(遵守基準省令第1条第二号ヘ関係)

輸出等の業務の適正な実施についての監査の体制及び定期的な監査の実施に係る手続を定め、当該手続に従って監査を定期的に実施すること(遵守基準省令第1条第二号ヘを含む。)。

5教育(指導及び研修を含む。)(遵守基準省令第1条第一号ロ及び第二号ト関係)

輸出等の業務に従事する者(遵守基準省令第1条第一号イの該非確認責任者及び遵守基準省令第1条第二号イの統括責任者を含む。)に対し、最新の法及び法に基づく命令の周知その他関係法令の規定を遵守するために必要な指導を行うとともに、輸出等の業務の適正な実施のために必要な知識及び技能を習得させるための研修を実施すること(遵守基準省令第1条第一号ロ及び第二号トを含む。)。

6資料管理(遵守基準省令第1条第二号チ関係)

(1) すべての輸出関連書類等に事実を正確に記載し、又は記録すること。(管理人注:資料の保管方法の定めは無いので、原紙での保管でなくてもよい。)

(2)輸出関連書類等を貨物の輸出時・技術の提供時から少なくとも7年間保存すること(遵守基準省令第1条第二号チを含む。)。ただし、輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)別表第1又は外国為替令(昭和55年政令第260号)別表それぞれの5の項から16の項までの中欄に掲げる貨物又は技術については、貨物の輸出時又は技術の提供時から少なくとも5年間保存すること。

特別一般包括許可を受けた者にあっては、包括許可取扱要領II4(1)②に規定する返送に係る輸出又は包括許可取扱要領II4(2)②に規定する返送に係る技術の提供に該当するものとして輸出又は技術の提供をした場合(輸出令別表第1又は外為令別表の2の項から15の項までの中欄に掲げるものであるか、16の項の中欄に掲げるものである必ずしも明らかでないものの返送に係る輸出又は技術の提供を含む。)にあっては一律7年間保存すること )。

7子会社及び関連会社の指導

子会社 及び関連会社に対し、安全保障貿易管理に関する適切な指導を行うこと。

8報告及び再発防止(遵守基準省令第1条第一号ロ及び第二号リ関係)

関係法令に違反したとき又は違反したおそれがあるときは、速やかに経済産業大臣に報告し、その再発防止のために必要な措置を講ずること(遵守基準省令第1条第一号ロ及び第二号リを含む。)(必要に応じ関係者に厳正な処分を行うことを含む。)。