海上運賃の計算

 1. 運賃と重量

 (1) 重量建て

 ①  W/T 貨物の総重量1ton=1,000kgとして運賃を計算

 ② イギリス・トン(Long Ton)では、1ton=2,240ポンド=1,016kg)

 ③ アメリカ・トン(Short Ton)では、1ton=2,000ポンド=907kg)

 (2) 容積建て

 ① メトリック・トン M/T 1m3を以って1容積トンとする。

 ② 1容積トンを40立方フィート(40 Cubic Feet)とする航路もある。

FEU (Fourty-foot Equivalent Unit):  40フィートコンテナ単位換算。 1FEU=2TEU。

FAK (Freight All Kinds) : コンテナ内の貨物に関わらず適用される品目無差別レート Boxレートともいう。

 

2. 海上運賃計算例

与件

100 carton boxes
Net 49kg/carton
Gross 50kg/carton
Measurement 21.6m3
Yokohama- London

Tariff : USDLS

Base Rateは Berth Term(バースターム:船舶への貨物積込・荷卸費用込)で設定。

Berth Termは、Liner Termという場合もある。 

CAF (Currency Adjustment Factor)  

BAF (Bunker Adjustment Factor)

CFSチャージ(コンテナ内に混載する費用)→LCLの場合のみ発生し、積み地、揚げ地の双方でかかる。

LSFS(Low Sulphur Fuel Surcharge) 1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約(MARPOL条約)に基づき低硫黄燃料を使用することが義務付けられている北欧州海域を航行する場合の燃料増加分を補填するサーチャージ。

  LCL 20ft 40ft         
Base 120 1,500 3,000
CAF ind 10.0% 10.0%
BAF ind    400  900
THC JPY3,000/RT JPY30,000.-/container JPY45,000.- / container 
LSFS ind      5.00/TEU       

CFS

(LCLの場合のみ発生)

JPY1,000/RT   n.a n.a

FCLに見合う物量をわざわざ20ftのLCLにして送ると、輸入地で多額のCFSチャージが課され、トラブルの元となる。

計算過程

(1) 重量勝ちか、容積勝ちか
Gross 50kg/carton x 100 carton boxes =5,000kg = 5ton
Measurement 21.6m3= 21.6t (1m3=1t)

よって、当該貨物は容積勝ち 


(2) LCLとFCLの比較

①LCLで積んだ場合:US$120x21.6t=US$2,592.- @yen100/US$ =Y259,200.-

  THC Y3,000/RT x 21.6 = JPY64,800.-

  CFS  Y1,000/RT x 21.6 = JPY21,600.-

  Total 345,600.-

 

②コンテナの場合
・20ft コンテナの内容量約33m3ゆえ、20ftを使用。というか、LCLは通常20ftコンテナに満たない場合に検討する。
Base     1500
CAF 10% = 150
BAF       400
LSFS        5
----------------
Total    US$ 2,055 @yen100/US$  =Y2o5,500.-
Y205,500 + THC Y30,000= Y235,500.-

 

コンテナの方が安い。(あくまでもこの設例上) 

CFRやCIFの建値でLCLで輸送すると、CFSチャージは輸入者負担となる。