航空輸送

航空運送に関する条約

1929年 ワルソー条約

1955年 ヘーグ改正ワルソー条約

1975年 モントリオール第4議定書(モントリオール改正ワルソー条約)

2009年 モントリオール条約 運送人責任限度額1kgあたり19SDR

(20180930)

 

AWB

 

【1】AWBの種類
(1) Master Airway Bill 航空会社が混載業者に発行
(2) House Airway Bill 混載業者が発行

【2】AWBの通数
(1) ORIGINAL元本3通→シッパー用は1通なので、全通の提出は求められていない。
1:航空運送人用(契約書的役割)→荷送り人が署名
2:荷受人用(貨物と同時に届く。送り状の役割)→航空運送人、荷送り人の双方が署名
3:荷送り人用(貨物の受領書、契約書的役割)No.3には運送人が署名→荷送人がAWB上の荷主保険を利用した場合は、ORIGINAL-3が保険契約証となる。
航空貨物引取りの際、オリジナルの提出は不要。
(2) 副本6通
1:着地で荷受人に貨物を引き渡す航空会社用
2:着地の空港用
3~5:運送に関与した航空会社用
6:AWB発行代理店用

 

輸出者がフォワーダーに航空貨物を依頼した場合、輸入者あてに貨物到着予定を通知する「到着通知(Arrival Notice)」がフォーワーダーからメール添付ファィルかFAXで送られてきて、それにAir Way Billも添付されるが、通常INVOICEは添付されない。INVOICEは別途輸出者から送ってもらう必要がある。

また、貨物にもAir Way Billが透明な袋に入れられて物理的に貨物に張り付けてある(カーゴアタッチ)が、そこにもINVOICEは同封されていないのが一般的。
通常は(フォーワーダー経由とは別に)輸出者からも出荷案内(Shipping Advice)をメールかFAXで連絡してきて、こちらにはインボイスも添付されている。

輸出者が輸出時にフォワーダーに、「貨物にINVOICEもカーゴアタッチするように」と依頼すれば、貨物に物理的に添付される。

なお、クーリエ便EMSは梱包にインボイスが貼り付けられる。 


【3】AWBのフォーム
航空運送状の書式は航空会社がIATAメンバーであるか否かを問わず、IATA制定の書式を使用。混載業者もこれに準じている。各社のロゴマークのつかないIATAのニュートラルフォームが使われている。

【4】AWBの性質

AWB        記名式    有価 証券でない   運送契約の証拠     物品受領証
               受取式
------------------------------------------------------------------------------
船荷証券 指図式   権原証券        運送契約の証拠    物品受領証

 

【5】AWBの項目

(1) HAWB No.

(2) Shipper's Name and Address

(3) Shipper's Account Number

(4) Consignee's Nam4 and Adress

AWBは常に記名式であり、有価証券でないため、AWBをL/Cで用いる(UCP600 第23条_航空運送書類に規定)場合:

・ L/C発行銀行とする。貨物を担保とするため。

・ L/Cに 「to order」「to order of shipper」と書いてあるが、consignee欄にはL/C発行銀行名を書いても、ISBPではネゴは可能としている。

(5) Consignee's Account Number

(6) Issuing Charrier's Agent Name and City

(7) Agent's IATA Code

(8) Account No.

(9) Airport of Departure and Rrequested Routing

(10) Accounting Information

(11) To By First Carrier To By

(12) Currency

(13) Charge Code

(14)WT/VAL PPD/COLL

Weight/Valuation Charges の意。 運賃前払いならPPDにX

(15) Other     PPD/COLL

(16) Declared Value for Carriage

貨物の申告価格 通常はNVD (no value declared)と書く。

(17) Declared Value for Customs

税関申告価格  通常はNCV (no customs value)か、NVD (No value declared)と書くか、ブランク。

(18) Airport of Destination

(19) Requested Flight/Date

(20) Amount of Insurance:荷主保険は現在は使用されていない

(21) Handling Information

 

MARKS: As per attached Invoice

L/Cの場合は also notify として輸入者も記入する。

着地では輸入者がL/C決済をし、銀行から Release Order を受け取り、これを航空会社に提示して貨物を受け取る。

(22) 貨物明細と運賃

① No. of Piecec RCP 個数またはRate Combination Point

② Gross Weight 240

③ Kg/lb:  Kgの時K と記入

④ Rate Class : Q Quantitative Rate (over 45 kg)

⑤ Commodity Item No. :特定品目賃率

⑥ Chargeable Weight :300 運賃計算に適用する重量

⑦ Rate/Charge

⑧ Total

⑨ Nature and Quantity of Goods (Incl.Dimensions and Volume)

    Power System Stabilizer  Model PSS-60

    FREIGHT COLLECT

    ORIGINE JAPAN

    Measurement 60cm x 60cm x 60cm x 8 cartons

(23) Weight Charge:重量料金。Prepaid なら左側に運賃を記載

(24) Valuation Charge:従価料金。

(25) Other Charge

(26) Total Other Charge Due Agent / Carrier

(27) Total Prepaid:元払い料金合計

(28) Total Collect:着払い料金合計

(29) Shipper’s certification:L/Cの場合はシッパーがサインする。

(30)Execution Date/At (place)/Issuing Carrier or Agent

① 原則:発行日

② 実際の船積日の特別付記ある場合:特別付記の日付

 

【6】航空運賃

(1) 発地国通貨建て。 日本はモントリオール条約に従っている。
(2) 実重量または、容積重量(6,000cm3を1kgとして換算、端数は0.5kg単位で切り上げ)の大きい方にもとづいて運賃計算。(ちなみに海上運送では10,000cm3=1kg)
IATAの規定に基づき、貨物の容積を6000cm3当たり1Kgとして換算し,貨物の容積重量が実重量を超える場合は容積重量を基に運賃計算をする。
(3) タリフ

航空貨物の運賃体系は、「従量料金」「従価料金」「その他手数料」からなる。

 

<従量料金>
航空貨物運賃は、重量逓減制(重いほど賃率が安くなる)
①最低料金(Minimum Charge)
貨物の重量または容積重量によリ計算した運賃が最低料金以下の場合、賃率表の最低料金欄に記載されている運賃が適用される。

② 一般貨物賃率   (General Cargo Rate: GCR) :
対象:目分類賃率(Commodity Classification Rate:CCR)、特定品目賃率(SCR:Special Commodity Rate)適用貨物以外の全貨物
貨物の品目に関係無く適用
 45Kg未満、45Kg以上、100Kg以上の区切りで、重いほど段階的に賃率が下がる様に設定されている。
(20160419)

Air Freightの計算例

与件
8 carton boxes
Net 28kg/carton
Gross 30kg/carton
Measurement 60cmx60cmx60cmx8 cartons
Declared Value for Carriage  JPYEN 980,000.-
Narita-Los Angeles

 

タリフ 一般貨物賃率(GCR)

Narita

Yen 

Los Angeles M    6500 

                  N      600

                 45      400 

               100      350 

               300      290     

Valuation charge  0.5% 


計算過程
(1) 重量勝ちか、容積勝ちか
Gross 30kg/carton x 8 carton boxes =240kg
Measurement 60cmx60cmx60cmx8cartons=1,728,000cm3÷6000cm3=288kg (容積勝ち) 
容積勝ちで288Kgで計算 

 

Los Angeles M    6500    ミニマム6500円

                  N      600  ノーマルレート    キロ600円

                 45      400  45kg以上100Kg未満  キロ400円 

               100      350  100Kg以上300kg未満 キロ350円 

               300      290      300kg以上      キロ290円 

  

100  350 (100Kg以上300Kg未満  キロ350円)

のレートを用い、288kgx 350円/kg=100,800円

 

しかし、仮に重さを300Kgとみなした場合は

300      290      300kg以上      キロ290円 

が適用され、300X290円/Kg=87,000円で済む。

 

上述通り、航空貨物運賃は重量逓減制により、45Kg以上の各種重量段階があり、重量段階が高くなると料率が低くなる。このため、実際の貨物の適用重量段階より重い次の段階の重量および料率にもとづき計算した料金が安いのなら、その料金を適用する事が出来る。これを"AS取り"という。

 

(2) 従価料金(Valucation Charge)

・国際線航空貨物の場合は、IATA約款によりUS$20.00/kg以上の貨物には超過部分に従価料金がかかる。

・与件として0.5%、換算レートYen100/US$ とする。

・US$20/kg x Gross 240kg = US$4,800=Y480,000.- (IATAの上限)

   IATAの上限計算のベースとする重量はChargeable Weight ではなく、実重量(Gross Weight)

・Declared Value for Carriage  JPYEN 980,000−Y480,000= Y500,000 (IATA超過部分)

   従価料金計算時の申告価格はAWB上のDeclared Value for Carriage.欄。  (for Customs 欄ではない。)

Y500,000 x 0.5% = Y2,500.-が従価料金。

・従って、航空運賃87,000円+従価料金\2,500.-の合計は¥ 89,500.-となる。 

 

Class Rate 品目分類運賃

Live AminalsやValuable Cargoの場合、ノーマルレートに対して Class rate として割増料金が課される。

Class Rate は貨物が発着する都市が属するIATA AreaやSub-Areaごとに割増料金が設定されている。

IATA Area 1 北南米 / IATA Area 2 欧州中東 / IATA Area 3 アジア・オセアニア

WITHIN 1 / WITHIN 2 / WITHIN 3 / BETWEEN 1 AND 2 /  BETWEEN 2 AND 3 /  BETWEEN 3 AND 1

 

航空梱包

軽く、容積も少なく。

ダブルカートンを使用